ケレンとは、外壁の塗装前に行う下地処理の一種で、古い塗膜(塗料の皮)やサビ、汚れなどを削ったり落としたりする作業のことです。
ケレンという言葉は、英語の「clean(クリーン)」が語源とされていて、建築・塗装業界では古くから使われている専門用語です。
写真で見ていただくように外壁がモロモロになっている状態でした。これには、「古い塗膜が浮いている、剥がれている」「チョーキング(粉が吹いている)現象が起きている」「サビや汚れがこびりついている」「塗装面が脆くなっている」などさまざまな原因が考えられます。このような状態の上にいくら新しい塗料を塗っても、しっかり密着せず、すぐに剥がれてしまうリスクがあります。つまり、ケレンをせずに塗装をすると「塗装の持ち」が悪くなり、仕上がりも悪くなってしまうのです。
ケレンは、以下のようなタイミングで行います
状態 | ケレンが必要な理由 |
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古い塗膜が剥がれている | 密着が弱くなっているため、新しい塗料もすぐに剥がれる |
サビが出ている(金属部分など) | サビの上から塗装してもまたサビが再発するため、根本除去が必要 |
外壁が粉を吹いている(チョーキング) | 表面が劣化しているため、そのまま塗っても塗料が定着しない |
汚れ・カビ・苔が付着している | 不純物が塗膜の定着を妨げるため、きれいに落とす必要がある |
このように外壁の劣化が進行している場合、そのまま塗装しても意味がないため、一度リセットする意味でもケレンは必須の処置です。
「見えない下地処理こそ、塗装の品質を左右する」とも言われるほど、ケレンは大切な工程なんです。
最後の仕上げとして、上塗り2回目を丁寧に行いました。塗膜に厚みが出て、より深みのある色合いに仕上がるだけでなく、紫外線や雨風から家を守る耐久性もぐっとアップします。見た目の美しさと機能性を兼ね備えた塗装が完成しました。