まずは現状チェック(家の健康診断)
- 外壁
- ひび(ヘアクラック/構造クラック)、チョーキング(手に白粉が付く)、塗膜のふくれ・はがれ
- シーリング(目地・サッシ周り)の割れ・痩せ・隙間
- 屋根
- スレートの欠け/反り、金属部のサビ、釘抜け、棟板金の浮き
- 瓦は基本塗装不要(陶器瓦)だが、セメント瓦は塗装対象
- 室内側の兆候
- 天井のシミ、サッシまわりの雨染み、ベランダ下のたれ染み(雨漏りのサイン)
- 付帯部
- 雨樋の変形・詰まり、破風・鼻隠しの劣化、バルコニー防水のひび
塗装か、張り替え/カバーかの見極め
- 屋根
- 下地(ルーフィング)の寿命が尽きている、割れや反りが多い→「カバー工法/葺き替え」を検討
- 金属屋根のサビが深い→ケレン+錆止めで対応できるか診断を
- 外壁
- サイディングの反り・浮きが多い→ビス留め補修+目地打ち替えの上で塗装
- モルタルの大きな割れ→Uカット補修など下地補修を先に
塗料えらび(耐久×機能×コスパの考え方)
- 標準的な選択
- シリコン:コスパ重視。耐久目安8〜12年
- ラジカル:チョーキングに強い。耐久10〜13年
- フッ素:高耐久。耐久12〜15年
- 無機:最上位クラス。耐久15〜18年
- 機能で足す
- 低汚染(汚れにくい)、遮熱(屋根に有効)、防カビ・防藻、艶あり/3分艶など意匠性
- 屋根は外壁より厳しい環境→1ランク上の塗料や遮熱を選ぶと効果的
- 大切なのは「メーカー名・製品名・塗布量(何㎡/缶)・希釈率・回数(下塗り+中/上塗り)」が仕様に明記されていること
見積書の要チェック項目(“一式”に要注意)
- 足場とメッシュ養生の㎡数・金額
- 高圧洗浄の範囲と圧力
- 下地補修(クラック補修、ケレン、錆止め)の方法と数量
- シーリングは「増し打ち」か「打ち替え」か、使用材とm数
- 塗装部位ごとの塗料名・回数・塗布量
- 付帯部(雨樋・破風・軒天・水切りなど)の明細
- バルコニー防水の有無(トップコートor防水更新)
- 保証内容(年数・範囲・アフター点検の頻度)
→ 単価の安さだけでなく、上記の“中身”が揃っているかで比較しましょう。
工事の標準フローと期間目安
- 近隣あいさつ・駐車/洗濯物の配慮
- 足場組み & メッシュ養生
- 高圧洗浄(外壁・屋根・付帯)
- 下地補修(シーリング打ち替え/増し打ち、クラック補修、ケレン・錆止め)
- 下塗り → 中塗り → 上塗り(部位ごとに適正乾燥時間を厳守)
- 付帯部仕上げ・清掃・検査 → 足場解体・完了報告
- 期間の目安:戸建てで10〜14日ほど(天候で前後)
- 施工条件:一般に気温5℃以上・湿度85%未満が基準。雨天時は無理に進めないのが鉄則
色と意匠の決め方(失敗しないコツ)
- 日陰/日向で色の見え方が変わる→外で実サンプルを確認
- 面積効果で「明るく・薄く見える」→ワントーン暗めを候補に
- 玄関ドア・サッシ色、屋根色との“3点バランス”を意識
- 可能ならカラーシミュレーションや実邸写真で確認
近隣トラブルを回避する工夫
- 事前あいさつ(工期、車移動のお願い、高圧洗浄日)
- 車カバー・植栽養生・洗濯物の声かけ
- 作業時間帯のルール共有(音・匂い配慮)
今日からできる3ステップ
- 自分チェック(上の診断リストで現状把握+写真保存)
- 相見積りは仕様重視で2〜3社、現調立会いで疑問をその場で解消
- 色は屋根・外壁・付帯の3点セットで最終決定(実サンプル必須)
はじめての塗装は不安が多いですが、「診断→仕様→管理」の順で進めれば満足度は大きく上がります。家の状況に合わせて、具体的な仕様表(塗料名・塗布量・工程表)まで作ることもできます。建物の延床や外壁材、屋根材が分かれば、最適なプランをその場で作成いたします。
