春の訪れを感じるこの季節、私たちは新しい生活や自然の目覚めに心を躍らせます。しかし、その陰でひっそりと進行しているトラブルがあります。それが「雨樋(あまどい)」の目詰まりです。特に、冬の間に落ちた枯葉が原因となっているケースが多く、見逃されがちな問題です。今回は、梅雨前にこそ行いたい雨樋の点検と清掃の重要性についてお話しします。
秋から冬にかけて落ち葉が多くなる季節。屋根に積もった枯葉は、風や雨で雨樋へと流れ込み、そこで溜まってしまうことがあります。寒さや雪の影響で屋外の作業が億劫になる時期ですから、掃除を先延ばしにしがちです。しかし、放置された枯葉は雨樋の内部で固まり、土やホコリと混ざって頑固な詰まりを引き起こすのです。
この目詰まりが原因で、梅雨の長雨や集中豪雨の際に、雨水がスムーズに排水されず、雨樋から水があふれ出してしまうことがあります。これが外壁の劣化や、場合によっては建物内部への雨漏りを引き起こす恐れもあるのです。
梅雨の時期が本格化する前、つまり4月〜5月の穏やかな気候のうちに、ぜひとも雨樋の点検と掃除を行ってください。自分でできる範囲での掃除も有効ですが、特に2階以上の建物や、複雑な構造の樋がある場合は、専門業者に依頼するのが安心です。
業者による点検では、以下のようなポイントをチェックしてもらえます:
プロによるチェックを受けることで、トラブルの芽を早めに摘み取ることができ、結果として修理費用の抑制にもつながります。
雨樋は普段目にしない場所にあり、その存在はあまり意識されていないかもしれません。しかし、屋根に降った雨水を効率よく地面に流すという、非常に重要な役割を担っています。もし雨樋が機能しなければ、雨水は外壁をつたって流れ、建物の基礎を侵食したり、外壁材の劣化を早めたりします。つまり、雨樋は家そのものを長持ちさせるための「盾」と言えるのです。
春は家のメンテナンスにも最適な季節です。冬の間に溜まった落ち葉が、思わぬ雨漏りや建物の損傷へとつながらないよう、梅雨を迎える前に雨樋の点検を行いましょう。
「見えない場所こそ、大切に。」
そうした気配りが、家を長く快適に保つ秘訣です。